「記録されるもモノには、必ず記録したいという人々の 想いが込められています」 今まで数々の有形・無形文化財、美術品の記録映画、TV番組、映像ソフトを作ってきました。発注していただける企業、自治体等と打ち合わせを重ねる時にいつも心に響くのは、その『記録したいという想い』です。それは残すべきモノへの『愛』といってもいいのかもしれません。私はいつもその『愛』を大切に心にしまい、数々の文化財と向き合ってきました。 真摯な気持ちで有形、時には無形文化財の前にレンズを向け収録をスタートさせます。すると、今度はその文化財が語り始めるのです、「記録されるモノの想い」を。 「記録する者」と「記録されるモノ」、それぞれの想いは 「物語」を生み出します。 手を触れられなくてもナゼかあたたかい、そんな「物語」がある記録映像作り。それがアーカイブスの演出の心がまえだと常々感じています。 演出 平山聡 |
「構成作家が学芸員資格を取ったワケ」 民族学を学びたくて25才の時、構成作家の仕事をしつつ、南山大学の人類学科に再入学しました。この2度目の学生生活で私は世界各地に伝わる民族の知恵と技に魅了されたのです。それぞれの民族が与えられた風土・環境の中で、知恵をしぼり、時をかけ、つむぎ出していった「技」や「芸能」「伝統技術」「伝統芸能」。そこには、人間の強さ、哀しさ、知恵や喜び…そのすべてが含まれています。どんなに時代が変わっても「この伝統文化を決して失ってはならない」。その想いは20年以上たった今も色褪せることはありません。 博物館、美術館の学芸員資格を持っているのに、勉強不足で恥ずかしい限りですが、カメラに映すひとつひとつの対象への愛着と尊敬の念は深まっていくばかりです。 文化財、芸術作品、芸能…その内なる声を脚本にし、映像にしていきたい。そんな切なる夢を今も追いかけています。 構成・脚本 ひらやま れいこ |